エネルギー産生栄養素(旧3大栄養素)って?
タンパク質、脂質、炭水化物を3大栄養素と言っていました。
これが世界基準に合わせてエネルギー産生栄養素と名称が変更となりました。
ちなみにエネルギー産生栄養素にビタミンとミネラルを加えたものを5大栄養素と呼びます。
タンパク質はどんな働きをするの?
タンパク質は、皮膚、筋肉、臓器、骨、毛髪や爪、血液など体のあらゆる組織をつくる主成分になる、エネルギー産生栄養素の中でも筆頭格といえる栄養素です。
1gで4kcalのエネルギーを生み出し、英語ではProtein(プロテイン)と呼ばれますが、これはギリシャ語の「最も大切なもの」に由来しています。
それ以外にもタンパク質は、酵素や免疫抗体、精神伝達物質、ホルモンの生成にも利用されるなど、生命活動に関わる重要な役割を担っています。
生命活動の触媒として働く、酵素の原料になる。
免疫システムの根源となる免疫グロブリン(抗体)の原料になる。
赤血球のメイン成分・ヘモグロビンの原料になる。 各種ホルモンをつくる原料になる。
傷ついた細胞を修復し、生活習慣病を予防する。
ストレスを緩和する精神伝達物質の素になる。 鉄分と一緒に摂ることで、その吸収率を高める。
《含まれる食品》 牛肉、豚肉、鶏肉、魚介類、ハム・ソーセージ・ベーコン、大豆製品(納豆、豆腐、ユバ、油揚げ、きな粉など)、ナッツ類、ゴマ など
《欠乏症と過剰症》 タンパク質が不足すると免疫力や抵抗力が低下し、感染症などの病気にかかりやすくなります。また思考力や記憶力が減退し、成長期の子供の場合発育障害になる危険があります。 逆に過剰に摂取すると、尿として排出されるため腎臓に負担をかけることになります。その際尿中のカルシウム排泄量もふえ、カルシウム不足につながりますので注意が必要です。
脂質はどんな働きをするの?
脂質はタンパク質、炭水化物と並び、体内でエネルギー源となる重要な栄養素です。1gで9kcalのエネルギーを生み出し、他の2つに比べて効率の良いエネルギー源と言えます。 それ以外にも、脂質には組織を形づくる原料になったり、体の機能を円滑にする次のような働きがあります。 細胞膜や脳神経組織、ホルモンなどをつくる原料になる。 皮膚表面から水分が蒸発するのを防ぎ、肌を傷やばい菌から守る。 脳や目の網膜、神経系統の機能を高め、精神を安定させる働きをする。 栄養素を体に運ぶ、血管のしなやかさと健康を守る。 ビタミンAやEなど脂溶性ビタミンの吸収を高める。 消化や吸収、排せつなどの活動がスムーズに行われるよう手助けをする。 肌の潤いを守り、体のしなやかさを保つ。
《含まれる食品》 肉の脂身、ラード、鶏皮、青魚、植物の油(オリーブ、エゴマ油、ナタネ油など)、バター、マーガリン、生クリーム、アボカド、ゴマ、ナッツ類 など
《欠乏症と過剰症》 脂質が不足すると、体温を保つ熱や活力が低下し、体の消耗が激しくなります。肌のみずみずしさが失われ、乾燥やシワなどの肌トラブル、生理不順などさまざまな弊害が起こります。 また脳も脂質でできているため、脂質不足の人にうつ病が多いとの報告もあります。逆に摂り過ぎると、皮下脂肪や内臓脂肪がふえ肥満になるだけでなく、中性脂肪や悪玉コレステロールが増加し、動脈硬化や心臓病のリスクが高まります。
炭水化物(糖質)はどんな働きをするの?
炭水化物(糖質)は体内で消化・吸収され、最終的にブドウ糖に分解されて、脳や筋肉など体の主要なエネルギー源として使われます。
使われなかったブドウ糖は脂肪組織に運ばれ、体脂肪として蓄えられます。 1gで4kcalのエネルギーになり、脂質やタンパク質に比べすぐさまエネルギー源として使えるのが特徴です。
また脳のエネルギー源になるのはブドウ糖だけなので、1日がスタートする朝食には、ご飯やパンなど炭水化物をしっかり摂ることが必要です。
《含まれる食品》 ご飯、パン、麺類、パスタ、いも、果物、砂糖、ハチミツなど
《欠乏症と過剰症》
炭水化物が不足すると、体力が低下し疲れやすくなったり、倦怠感やイライラ、集中力が落ちるなど精神面にも影響を与えます。特に脳にとってブドウ糖は唯一のエネルギー源ですから、不足すると仕事や勉強の効率にも悪影響を及ぼします。一方摂り過ぎると、肥満や糖尿病など生活習慣病を招くおそれがあります。
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