ランチェスター経営戦略



フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)からランチェスターの法則を見てみよう。

ランチェスターの法則 出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 

ランチェスターの法則(ランチェスターのほうそく、英:Lanchester's laws)は戦争における戦闘員の減少度合いを数理モデルにもとづいて記述した法則。

一次法則と二次法則があり、前者は剣や弓矢で戦う古典的な戦闘に関する法則、後者は小銃やマシンガンといった兵器を利用した近代戦を記述する法則である佐藤84(p72-74)。 

 これらの法則は1914年にフレデリック・ランチェスターが自身の著作L1916で発表したもので、原著ではこれらの法則を元に近代戦における空軍力の重要性を説いている。この論文は今日でいうオペレーションズ・リサーチの嚆矢となった佐藤84(p72-74)。 

 ランチェスターの法則は実際の戦争においても確認されており、例えばJ.H.エンゲルE1954は二次法則に従って硫黄島の戦いを解析することにより、わずかな誤差でこの法則が成り立つことを確認している佐藤84(p184-185)。 

 古典的な戦闘と近代的な戦闘で従う法則に違いが生じるのは、剣や弓矢による古典的な戦闘では個々の味方が個々の敵を相手とする一騎討ちを基本とした局地戦になるのに対し、小銃やマシンガンを利用した近代的な戦闘では集団的な行動をとる味方が、乱射により不特定の敵を確率的に殺していくものだからである佐藤84(p72-74)。


 古典的な戦闘の場合には、個々人による一騎討ちの寄せ集めであるので、戦争による戦闘員の消耗は単純に味方の人数と敵の人数の一次式になる(一次法則)。


一次法則

一次法則は、伝統的な一騎打ち・局地戦・接近戦を想定しています。 このような戦闘の場合、戦闘力は 武器効率×兵力数 というシンプルな計算式になります。 それゆえ、同じ武器効率同士で戦えば、必ず数の多い方が勝ちます。

 例えば、兵力2と兵力4で戦えば、兵力4の方が

 1(武器効率) × 4(兵力数) – 1(武器効率)× 2(兵力数) = 2 

の差で必ず勝ちます。

それに対し近代的な戦闘の場合、戦闘員の消耗は味方の人数と敵の人数の2次式(双曲線)になることが示せる(二次法則)。


二次法則 

二次法則は近代的な広域戦の場合を想定しています。

 このような場合、戦闘力は 

武器効率×兵力数の二乗 

という式で求められます。 

その場合、兵力2と兵力4の同じ武器効率のグループで戦えば兵力4の方が

 4×4–2×2=12

の差で勝つこととなります。


古典的な戦闘とは消耗する人数が大きく異なり、近代的な戦闘では古典的な戦闘と比べ、人数が多い方の軍隊が大幅に有利になる。 なお、戦後になってからランチェスターの法則を導出した数理モデルは経営学にも一部応用されており、

フォルクスワーゲンのセールス戦略をこれにより説明するなどがされている(後述)佐藤84(p188-200)。経営コンサルタントの田岡信夫は自身の研究を踏まえてこれを易しく解説した本を書いており佐藤84(p200)、日本では「ランチェスター経営戦略」と呼ばれている。


ランチェスター経営戦略とは、戦時中に提唱された「ランチェスターの法則」を経営学に応用した、日本発祥の経営戦略のことです。 主に「弱者の戦略(一次法則)」と「強者の戦略(二次法則)」から構成されており、戦闘力に劣る「弱者」と戦闘力に勝る「強者」がそれぞれどう戦えば戦局を有利に運べるかが述べられています。 経営戦略として改良されるにあたって「マーケットシェア理論」が追加され、 

弱者の戦略:「弱者」が取るべき戦い方 

強者の戦略:「強者」が取るべき戦い方

マーケットシェア理論:市場で「強者」になるために必要なマーケットシェア率

の3つがランチェスター戦略の基礎を支える柱となりました。


☆ランチェスター戦略の図(青:弱者の戦略、赤:強者の戦略、黄色:マーケットシェア理論)

7つのシンボル目標数値

マーケットシェア理論による7つのシンボル目標数値は、現在の自社のシェアはどの段階なのかを判断します。 たとえば73.9%以上で占有、41.7%以上で地位は安泰など。そして短期・中期・長期にはどこまで伸ばしていくのか、現状分析と目標設定に活用します。 

 上限目標値73.9%

73.9%(上限目標値)の場合、独占的となります。100%にならずともこの数値ですでに、その地位は絶対的に安全・安泰とあり、よほどのことがない限り2位以下に逆転されることはないとされているのです。 これ以上の数値を得ても、安全性、成長性、収益性の面で安定しなくなってしまいます。つまり1社独占は必ずしも安全とは限らないのです。

 安定目標値41.7% 

41.7%(安定目標値)の場合、地位が安定します。多くの人が50%を安定と予想しますが、ランチェスター戦略では、4〜5社以上の集団競争になるので40%を超えれば地位が圧倒的に有利となり地位は安定するのです。 これは2位以下をかなり引き離している状態で、首位独走の条件として多くの大企業が目指す数値となります。 

 下限目標値26.1% 

26.1%(下限目標値)というのは、トップの地位に立てる強者の最低条件となります。26.1%をシェアすれば1位になるものの、1位でも2位とは僅差となるなどその地位は不安定なものになってしまうのです。 1位とはいえ、いつ逆転されてもおかしくない状況では強者の戦略は取れません。26.1%はギリギリの数値と捉えられます。

 上位目標値19.3% 

19.3%(上位目標値)を確保すれば、多くの場合上位3位以内に入れます。しかしどれも同程度で、弱者の中の強者という立場です。 この数値は、弱者が当面の間、目標とする数値とされるもの。20%確保に近づけば、1位がすぐ目の前まで見えてきている状況なので1位獲得するための戦略に切り替えます。

 影響目標値10.9% 

10.9%(影響目標値)は、「10%足がかり」といわれ、10.9%を確保すれば市場全体に影響を与える存在となります。市場参入時の目安となる数値で、10%を超えると、本格的な競争に突入するのです。

 存在目標値6.8% 

6.8%(存在目標値)は競合相手に存在を認められる立場になります。しかし市場に影響を与える力がないため本格的な競争には巻き込まれません。 この数値の段階では、他社を気にするよりも自社製品のセールスに必死に取り組むとよいでしょう。新発売から年月が経っても7%を超えないようなら先がありません。撤退の判断基準にも使われます。

 拠点目標値2.8% 

2.8%(拠点目標値)は、存在価値がないに等しい立場です。この数値は市場参入時に、参入できたか、できなかったかを判断する数値となります。3%→7%→10%が市場参入の中間目標数値です。 10%を超えると本格的なシェア争いに突入していきます。2.8%以下となれば、ランチェスター戦略を行っても生存は厳しい立場です。


弱者がとるべき戦術

弱者の5大戦略 

1 局地戦… ビジネスの領域を絞る 

2 一騎打ち…1社限定と競合する 

3 接近戦… 顧客に接近する 

 この戦法では、会社はなるべく顧客に近づき、親身になって考えることが重要となります。 顧客と触れ合う時間や頻度を多くし、商談も多く設けることで多くの利益を見込みます。 

 4 一点集中…1点に絞って戦う

 この戦法は、力を入れる点を決め、そこに一点集中して店の強みなどを作っていく戦法です。 この戦法で最重要になるのはセグメンテーション・ターゲティング・ポジショニングのSTP分析です。 

 5 陽動作戦…競合相手の裏をかく戦法 

 ビジネスでは、度肝を抜くような商品を打ち出して、話題を独占してしまえばそこに人が流れていきます。弱者は挑戦者で、失うものが少ない立場ですから、強者が予想もしない戦略を立てることができます。


セグメンテーション

セグメンテーションとは、顧客や市場を年齢・性別・志向などの特徴ごとにグループ(=セグメント)に分けることです。 

  マーケティングを行うにあたって、全人類に普遍的に売れるようにしよう、ということは至難の業です。 商品を提供する相手を明確にしなければ、商品の開発も商品の売り方も決定していきません。 40代の壮年のサラリーマンに売るのか、勉強で忙しい高校生に販売するのか、必ずターゲットを定めなければならないのです。 そして、ターゲットを絞る前にどのような種類の買い手がありうるかを浮き彫りにするために、セグメンテーションはマーケターには避けては通れない道です。

STP分析

 STP分析は、マーケティングにおける代表的な分析・思考の枠組み(フレームワーク)の1つで、マーケティングの父とも呼ばれるコトラーが提唱した手法です。

  マーケティングは「誰に、何を、どのように売るか」が重要なテーマですが、STP分析はこのなかで「誰に」と「何を」に関わる重要な視点です。

また、STPはSegmentation(セグメンテーション)、Targeting(ターゲティング)、Positioning(ポジショニング)の頭文字を取っており、以下の様にとらえると理解しやすいでしょう。

●Segmentation(セグメンテーション)=顧客や市場を分けてとらえ 

●Targeting(ターゲティング)=そのなかで狙いを定め 

●Positioning(ポジショニング)=他社との違いを明確にして訴求する

なお、STP分析は、位置づけとしては、3C分析、5フォース(5Forces)分析、PEST分析、SWOT分析などの内外環境を分析する手法と、出口すなわちマーケティング施策を考えるための4P(Product・Price・Place・Promotion)の中間にあたると言えます。

 さまざまな観点から「自社をとりまく要素」を理解し、

STPを用い「自社が誰に、何を売っていくのか・訴求していくのか」を考え、

どのような4P(Product・Price・Place・Promotion)

により売っていくのか。STP分析は自社の「意図」が反映される手法です。


 強者のとるべき戦略

 強者の5大戦略 

 1 広域戦…大きな市場をねらう 

 2 確率戦…アイテム数を積極的に増やす、新製品を積極的に売り出す 

 3 遠隔戦…広告などを大々的に行って離れて戦う 

 4 総合戦…すべての武器、力を総動員して勝負する 

 5 誘導作戦…こちらの戦いやすい場所に誘導して勝負する






Biwako Wellness Academy

BWAは、Wellnessをテーマに「活き活きと輝く」ことを目標として、皆様の目指すものへの挑戦をサポートする情報を提供していきます。

0コメント

  • 1000 / 1000